今では成人となった娘たちが、どのように言葉と関わってきたかについて振り返ってみました。
ー妊娠中ー
景色、食べているもの、聴いている曲についてなど、暇さえあれば実況中継するように話しかける。
胎教レッスンに通い、テキストのぬり絵をしながら毎日絵本を読み聞かせる。
10分間ほどの短い時間だったが、お腹の中の子どもと心が通じ合うような気がして楽しく取り組めた。
毎日わずかな時間でも子どもに話をする時間を持ったおかげで、母親になる心の準備ができたようにも思う。
ー生後2か月頃からー
絵本の読み聞かせ(中学生になり新聞の読み聞かせに変わるまで)
気持ちの代弁、嬉しいね〜 おいしいね〜 風が冷たいね〜 などなど(発語以降も3歳ごろまで)
ー6か月頃からー
いつでも好きなときに自分で眺められるようにするため、絵本は子どもの手の届くところに置く。
おかげで絵本はボロボロに・・・
週に1回1時間、赤ちゃん教室に通い、歌や言葉を聞かせる。
ー1〜2歳頃ー
近所の幼稚園が本の貸し出しをしていたので、週に一度2冊ずつ好きな絵本を選ばせて借りる。
ひらがなの書いてある積み木で遊ぶ。
しろくまちゃんのほっとけ―きなど、簡単な絵本を暗記してカタコトで音読をするようになる。
ー2~3歳頃ー
ディズニーにハマり、プリンセスの絵本の読み聞かせをねだる。
挿絵を見ながら、自分でストーリーを解説するようになる。
文字を読んでいるわけではなく、読み聞かせで覚えたストーリーを挿絵に合わせて話しているだけなので、流暢。
間違えた助詞は自分で言い直し、本人が気づかなければ親が言い換える様子がビデオに残っている。
子どものちょっとした言い間違いを指摘するのではなく、さりげなく正しい文やもう少し詳しい文に言い換える。
親が子どもの発言をオウム返しで引きとることを最も頻繁に行っていた時期でもある。
ー幼稚園ー
3歳4か月ごろ、ひらがな一字が一音に対応していることに気づき、絵本の拾い読みを始める。
一文字ずつ確認しながら読むため、たどたどしい。
毎月幼稚園で配られるキンダーブックを自分で読むようになる。
読み間違えた個所を訂正されると不機嫌になり拗ねる。
ことわざカルタで遊ぶことを好み、ごっこ遊びで大人の話し言葉を真似て覚える。
子どもたちのオモシロイ言い間違いなどを新聞に投稿し、謝礼の図書券で好きな本を買うことにしたら、さらに親子間の会話が活発に。
ー小学校低学年ー
絵や詩、作文などを積極的に新聞へ投稿するようになる。掲載されるともらえる文房具や図書券がめあて。
自分の作品が活字になり学校の先生に褒めてもらえたり、クラスで発表してもらえたりすることも嬉しかったとのこと。
学校の宿題で教科書の音読。
自由帳に物語や四コママンガを頻繁にかく。
慣用句やことわざ、四字熟語のマンガや本を買って本棚にそろえる。
カルタや百人一首で遊ぶ機会を多くもつ。
夏休みには、日記をつける、自由作品として、語彙カルタや創作絵本を作る、読書感想文の書き方を指導など。
毎朝、市販の国語問題集を数ページ。
助詞や助動詞、言葉の仲間わけなどのドリルで論理力を養う。
市販の語彙力テキストで積極的に言葉を覚えさせる。
新出漢字は複数の熟語の意味も一緒に覚えられるよう、オリジナル短文テキストを親が作る。
ー小学校高学年ー
「秋桜」や「会いたい」といったストーリー性のある歌を聴かせ、歌詞を解釈させたり、解説したり。
夏休みには日記を書く以外に、俳句や川柳でその日の出来事をまとめていた。
読書感想文は自分の型で書けるようになったので、アドバイスと最終チェックのみ。
気になる新聞記事を切り抜き、ひとこと感想を付け加える。
朝食時に親が小説や新聞の読み聞かせをし、子どもに口頭であらすじを要約させる。
新聞社のこども記者として取材をし、レポートにまとめる。
ー中高生ー
娘たちの母校である私立の中高一貫校は、読解指導も充実しており、複雑な心情や抽象度の高い概念を理解できるまでに精神的成長を促してくれた。
また、エッセイや小説解釈を書かせる宿題もあり、記述力養成にも力を入れている。
月に数回は、新聞の記事を切り抜き、読むように促して、話題作り。
時事問題を扱うテレビ番組を録画して見せ、子どもに知っておいてもらいたい世の中の出来事を強制的に補充。
新聞のサンデー版にある漢字クイズやクロスワードパズルは続けている。
家庭学習としては、論理力の仕上げとして出口式の論理エンジンのDVDを購入し、中学生のうちに視聴。
大学受験生用の語彙力テキストを購入し、現代文対策としてさらなる語彙力アップを図る。
大学受験の二次対策は、Z会の添削指導にお任せ。
高校生以降は、年に3回程度読解指導をして、娘たちの読解力を把握する様にしていたが、大学受験生となった今では求められれば問題集を手渡すくらいで、関与することはなし。
長女は現代文の成績で、次女は作文コンクールで、それぞれが学年トップとなる。
ー大学生ー(2020年追記)
令和2年4月、娘たちは大学3回生となります。
ひとりは一浪の末、京都大学文学部に入学し、社会学専修に在籍して福祉社会学やジェンダー研究に2年間を費やすそうです。
もうひとりは現役で、南山大学英米学科に入学し、英文学を専門に研究するとのこと。
幼いころより家庭で国語教育を施してきた結果なのか、生れながらの資質なのかは分かりませんが、我が家の子どもは二人そろってガチガチの文系に進むことになりました。
現在の彼女たちは…
趣味として本を読む姿を見かけることは、ほぼありません(笑)
単位を取得するために必ず読まねばならない本や論文は読みこなし、レポートでもまずまずの成績はとれているとの自己申告はありますが。
それぞれが、学業のほかに、サークル活動、飲食のアルバイト、遊び、ボランティア活動などで充実した学生生活を送っています。
また、二人とも家庭教師として、小・中・高校生に中学受験の勉強、現代文、英語などを教えています。
順当にいけば、2年後の春には彼女たちも社会人。
子育てを終えたわたしたち夫婦は、老後の計画を立て始めています。
これまでを振り返って
幼少期に行っていたことは「国語の力をつけなくては!」と意識して、計画的にやっていたわけではありません。
私が幼い頃に母親にしてもらっていたことをアレンジして、我が子の育児にも活用しただけです。
中学受験を意識し始めた4年生以降は、現在の指導につながる読解指導もするようになりましたが、それまでは手探り状態で良いと思うことを片端からやっていました。
娘たちには、「よくぞこれまで付き合ってくれました。ありがとう」と感謝の言葉を述べたいと思います。心から。