こんな簡単な問題を間違えるなんて

子どもの国語テストを見て、「どうしてこんな答えを選んだのだろう?」あるいは「こんな答えを書くなんて何考えてるんだろう?」と不思議に思うことがありませんか。

たとえば、6年生の物語文読解問題。

本文は、井上靖の『しろばんば』の一場面です。

あらすじを簡単にまとめると…

自分を育ててくれている老婆の愛情による行為を鬱陶しく感じていた少年。

ある日ふと見た老婆の後ろ姿に老いを感じ、初めてその愛情を受け入れることができた。

老婆が学校に届けてくれた羽織をその場で着るという行動から、少年が老婆の愛情を受け入れたということを読者は推察します。

これが読みとれないと、『しろばんば』のこの場面は感動的なものにならないのですが、それはおいといて。

その場で羽織をはおった少年の気持ちを問う選択肢問題。

正解は、あわれみ感謝する気持ち なのですが、あわれみさげすむ気持ち を選ぶ子もいます。

このストーリーの流れからして、さげすむ を選ぶのはあり得ない!と思いますよね。

でも、選んじゃう子もいるんです。

意味の分からないものが正解に見える

さげすむの意味がわかるかをたずねてみたら、全員知りませんでした。

羽織を着た=愛情を受け入れた=感謝 と理解できれば、たとえ さげすむ の意味がわからなくても正解にたどり着けるでしょう。

でも、意味を知らない難しそうな言葉があると、どういうわけかそれが正解に見えてしまう…

正答がわからないときは特に、意味不明の言葉が含まれている選択肢に吸い寄せられてしまう…

さげすむは、バカにする、見下すという意味だよ と教えた瞬間に答えを書き変えたということは、この言葉の意味がわかっていれば、その選択肢を選ぶことはなかったということです。

やはり、言葉を知らないことは大きなハンディとなります。

大人にとっては簡単に見える問題でも、知らない単語が多ければ多いほど、問題は難解になる。

信じられない!と嘆く前に、ひとつでも知っている言葉を増やせるよう手助けしてあげて下さい。