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話をまとめることのできる人

4月から夏期講習にかけては、国語の基礎である論理力を鍛えてきました。

秋は要約力を伸ばします。

要約とは、文章の大切な部分を短くまとめたもの。

何かについて説明したあとに、ちょっと説明が長かったかな、と思った時に

ひとことで言うと…

というセリフで話を締めくくることがありますね。

つまりこれは、

今までの話を要約すると…

ということです。

話者は自分の話を上手く要約することができます。

自分の伝えたいことが、完全にわかっているからです。

いや、逆ですね。

ものすごく人に伝えたいことがある。だから、長々と説明できるのです。

それでは聞いている人は、誰かに説明された話を要領よくパッとまとめることができるのでしょうか?

できる人もいればできない人もいる。

要約できるかできないかには、2つの要素が絡み合っています。

ひとつは話者側の要因。

そもそも明確な主張があって、それを論理的にわかりやすく聞き手に伝えているか。

もうひとつは聞き手側によるもの。

話を聴く集中力があり、使われている言葉の意味がわかり、内容を整理整頓する論理力を備えていて、素早く話者の主張を抜きとり、それを言語化できるか。

話者は主張を拡げて(具体例や対比を用いて)話し、聞き手は拡がった話の核となる主張を探る。

聞き手は、話者のつけ加えた具体例や対比をそぎ落として主張部分だけを残さねばなりません。

聞き手は話し手とは逆の作業を強いられるのです。

読解のための要約特訓

子どもが、特に論説文を読んだときに、何が書いてあるのかわからない、と言うことがあります。

そうは言わないにしても、論説文の問題が解けないとは、文章の内容が理解できないということです。

文章を読めるためには、上記の聞き手と同様いくつかの力が必要とされるわけですが、とりわけ大切なのは、筆者の主張を見抜く力です。

要約ができるようになるには、低学年のうちに短文の要点を抜きだせるようにしておくことです。

要点は大切なところだよ、と教えても子どもには伝わりません。

要点=主語+述語+つけたしの言葉

と具体的な作業に落とし込んで、コレを繰り返し練習します。

高学年と中高生は、段落ごとに自力で文章を要約してメモ書きする特訓をしています。

メモを読めば、全体の話の流れが見えてきます。

ある段落は話題を提供し、この段落では具体例を述べているということがわかります。

その中の筆者の最も伝えたいことが書いてある段落がまとめの段落。

話題と主張をくっつければ、要旨となります。

論説文を読んでは、段落ごとに要約する。

そして、主張を見つける。

そうすれば、その文章を書いた筆者が何を言いたいのかがわかります。

それが、読めるということです。

読めれば、解けます。

国語教室ミルンでは、今この時期に要約の特訓をしています。