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新型コロナウイルス感染者数の拡大がとまりません。

とくにわたしの教室のある名古屋市は感染者数も多く、自粛ムードも強いのかもしれませんが…

子どもたちはどこに行ってしまったの?と不思議に思うくらい子どもたちの姿を見かけることはありません。

保護者が仕事で不在になるなど自宅で過ごすことが困難な子どもは学校で受け入れるとのこと、みんな学校か自宅で過ごしているのですね。

国語教室ミルンも休講中です。

 

我が子は大学生ですが、もしわたしが小学生の親だったら、この長い臨時休校期間をどう過ごすだろう?と考えてみました。

外出は控え、外遊びや体験学習などはできないのだから、今回は学力を伸ばすことを目的に考察を進めます。

 

まずおさえるべきは、休校期間中の前提条件

❶家にいる時間が長いのに、やるべきことが決まっていない

❷学校で習わない範囲を家庭で学ぶ必要がある

❸進学塾も休講の場合、未履修範囲を家庭で学ぶ必要がある

 

ここから言えることは、

この期間を有効に利用するかしないかで、1か月後の学力には大きな差が出るということ。

是非はともかく現実として、学校や塾が担うはずだった『子どもに勉強を教える時間』と『子どもが勉強する場』の両方が家庭に投げられたのです。

学校や塾に行かない時間を遊んで過ごした子と、しっかり学んで学力を身につけた子では、自由時間が長いだけにその差も大きくなります。

そして自由な時間が増えただけ、家庭の役割りも、より重要になったといえるでしょう。

 

休校になったら家庭で対処するという今の日本の教育制度に憤りはおぼえるものの、不満に思うだけで何もしなくて困るのは自分と我が子なので…

今の自分にできることをすぐに全力で考えるタイプです。

 

この前提条件を踏まえてわたしならどうするか…

 

やるべきことを可視化して親子で共有する

『❶家にいる時間が長いのに、やるべきことが決まっていない』

に対しては、綿密な計画表を作成して対処します。

子どもにとっては時間割のようなものですね。

学校の時間割に合わせて家でも過ごすという手もありますが、体育や図工など、親の負担が大きすぎて1週間で音をあげそうです。

 

もともと我が家では、子どもが小学生のうちは一週間の計画表をもとに日常生活をおくっていました。

夏休みも一日のスケジュールを決めて過ごしていたし、中学受験塾に通い始めてからは、細かい学習計画表に従って学習を進めていました。

だから、なにはともあれ、わたしなら休みの初日に休校期間に合わせて計画表を練り直すという作業をするはず。

 

計画表の作り方

わたしの計画表の作り方は以下のとおり。

①やるべきことを箇条書きにして、優先順位をつける

②曜日と時間を記した表を作る

➂朝食・昼食・夕食・お風呂・起床&就寝時間など必須項目を書き込む

➃親がサポートできる時間をみつけて書き込む

⑤一人でやれること、親のサポートが必要なこと、それぞれ優先順位の高い順に書き込む

⑤自由時間も忘れずに

⑥それでも時間が余ったら、やることを追加する、もしくは自由時間を増やす

上の表は、娘が5年生だった時の週間予定表です。

今回は、学校と塾の部分の予定も埋めることになるので、できることも相当増えそうです。

逆に言えば、その分親子の負担(とくに心理的な負担)が増えるということですね…

 

 

やるべき学習内容

『❷学校で習わない範囲を家庭で学ぶ必要がある』

場合は、学校から指示あるいは課題があるはずなので、それを計画表に書き込みましょう。

 

学校から十分な量の宿題が与えられているなら良いのですが、何をどうしたらいいのかわからない場合は親子で考えなければなりません。

 

まずやるべきは、基礎学力を強固にするための勉強です。

たとえば、算数の計算や一行問題、漢字の書き取りなど。

基礎学力の心配な子は、弱点を補強するためにもふだんの2割増しくらいはやった方が良いと思います。

 

国語力をつけるためには

 

・音読と読書(今なら無料で読める!)

・ことわざや慣用句、四字熟語を丸暗記

・既習漢字の定着と先取り暗記

毎日欠かさずやります。

 

・主語述語と係り受け

・指示語と接続語

・短文の要約

など、論理の苦手分野のおさらいもします。

 

*書籍『おうちで伸ばす国語力!国語で困らない子になるために、今すぐできること。』でご紹介しています!

*YouTubeでもいろいろな方が覚え方の動画を配信されているようなので、検索してみて。

 

 

ふだんできないことにも取り組む

課題が少ない低学年の子どもや中学受験をしない高学年であれば、学校の課題の有無にかかわらず、ふだんは時間がなくてなかなかできないこともやる(やらせる)と思います。

たとえば、

・図画工作

・LEGOの大作

・プログラミング

・お裁縫や料理

・マンガを描く

・日本地図を書き写す(都道府県、平野、山と川、特産物などを覚える)

など、

・1か月間で終わらせられそうな

・親の負担が少なく、子どもが自力でやれる

・子どもが興味を持ち、やりたいと思うテーマ

を決めて、毎日コツコツと時間を割いて完成させます。

 

やると決めたことを成し遂げた達成感を味わう絶好の機会にもなります。

(わたしはお裁縫が趣味なので、最初だけ教えれば延々と続けられるパッチワークを提案しようかな)

 

中学受験をするならチャンスとして捉える

『❸進学塾も休講の場合、未履修範囲を家庭で学ぶ必要がある』

に対しては、各塾が動画配信などの対処を決めていると思います。

ただし、いつもとは違った方法で新しいことを学ぶのですから、理解が浅い、または追いつかないという子もでてくるはず。

いくら後でサポートするといっても、その時には新しい単元の学習もあるなら、その時点の子どもの負担は大きくなります。

だからこそ、今覚えるべきこと、今理解すべきことは、今のうちに消化しておくべきです。

積み残しや取りこぼしが多いほど回収は難しくなり、入試当日に後悔します。

 

そうならないためにも、自分でテキストを読んだり動画を見たりして理解できる、よほど自立した一部の子以外は、親子で綿密な学習計画表を作りましょう。

 

わたしなら、新単元だけでなく、これまでの履修単元の復習も計画表に盛り込むでしょう。

算数の日暦算や社会の年号暗記、理科の月と太陽・星の動きなど、苦手な分野があればこの機会に克服できるようにします。

 

このように塾の勉強もする必要があるなら、週間計画表に加えて、さらに細かい一日の計画表も作ります。

『どの教材のどのページををいつやるのか』を前日の夜までに書き込んでおいて、朝起きたらすぐに取り組めるようにしておくのです。

 

 

これは娘が大学受験生だったときの毎日の計画表です(高校生なので自分で作っていた)。

細部がよく見えませんが、イメージとしてはこんな感じで、横軸に月日、縦軸に科目と教材名が書いてあります。

その日にやるべきページが書き込んであり、やり終えた部分にマーカーで色付けしています。

 

ポイントは、とにかく具体的に書きこむこと。

おとなでもやるべきことリストがなければ、無為に日々を過ごしてしまうものですが、子どもならなおさらです。

漢字を覚える、計算をするなどではダメです。

1日3ページ進める、でもダメ。

その日にやるべきページ数を具体的に書き込むのです。

(例:漢字ドリルP4~6)

 

計画をたてるのは、はっきりいって大仕事。

先日長女がオンライン家庭教師をしている中学受験生の計画表を立てたのですが…

お母さまと長女、わたしの大人3人がかりで4時間近くかけて、週間計画表と毎日の計画表を完成させました。

大変な作業ではありますが、この計画表があれば毎日の学習の精度は確実にアップします。

 

この計画表、一度作ったら終わりでなく状況に応じて作り替えることも必要ですが、雛型さえあれば変更は簡単です!

この休校期間を有意義に過ごすためにも、ぜひ挑戦してください。

そして、計画表の立て方がさっぱりわからない方は、ご相談ください。

希望者が多ければ、オンラインでお伝えすることもできると思います。

 

計画表をたてる際の注意点はコチラ

 

ネットのサービスや動画を利用する

今回の騒動を受けて、今のアナログ的な日本の学校教育が、オンラインを通じても行われるように変化していくに違いありません。

経済産業省が「未来の教室」というサイトで、オンラインのシステムを利用したさまざまなコンテンツを紹介しています。

各教科の学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)も詳しく載っているので、ぜひ活用してください。

子育て世帯サポート緊急支援サイトも見つけました。

 

↑のサイトやYouTubeでカバーされていない国語学習に関するご要望があれば、お知らせください。

国語教室ミルンでもzoomを利用してオンライン指導ができるよう検討します!