さて、その1の続きです。
国語・算数・理科・社会のうちで、もっとも安定しないのは、どの教科でしょう?
国語の成績だというお子さんは多いと思います。
国語の偏差値が他の教科に比べると著しく低く、総合偏差値の足を引っ張るというお話もよく耳にします。
(国語教室の講師なので、あたりまえです。)
国語の成績が乱高下を繰り返すので、ほんとうのところ、国語ができるのかどうかわからない。
と、おっしゃる親御さんも少なくありません。
子どもにとって理解できる内容の文章であれば高得点となりますし、サッパリわからないというテーマではお手上げ状態で成績も極端に悪くなる。
これでは、本番の入試のときには運を天に任せるしかありません。
ひたすら、我が子の得意な分野の読解問題が出題されることを願うのみ。
たとえば物語の好きな女の子であれば、友情の大切さがテーマのもの。
昆虫に興味のある男の子なら、理科的説明文が出題されたらもうけものです。
つまり、その子の教養や知識の範囲が広ければ広いほどカバーできる読解問題も多くなるということです。
大人が新聞を読む場合も同じですよね。
きのう見た『野球の試合』の記事なら、内容はスッと頭に入ってくるけれど、興味のない『どこかの国の政治的内容』の記事は、それよりも理解に時間がかかるとか。
(逆だよ、と言う方もいらっしゃると思いますが。)
つまり、知っているコトについての文章は苦労せずとも読めるのです。
だから、人生の酸いも甘いも噛み分けたオトナっぽい子は国語が得意です。
そもそも、社会や人生の複雑な事情を理解できる論理力を身につけているうえに、さらにその力を駆使して、大人の話に首を突っ込み、テレビから流れてくるニュースの内容を理解し、難しめの新聞や本を読む。
このような上昇スパイラル生活を送りながら、日々語彙力と論理力に磨きをかけているのです。
ほうっておいても、ある程度までは国語力はアップしていきます。
ただし、論理力がないと、ある時点で行き詰まります。
一方、語彙力も論理力も乏しい子は…
難しい言い回しや言葉がわからず、複雑な文章構造にもついていけず、結果的に何が書いてあるかわからないということに。
精神的に幼ければ、複雑に絡み合った人間関係など読み解くこともできません。
韓流ドラマの意味が分からない!!見る気がしない!
といっていた男の子もいましたが、彼は物語文が大の苦手でした。
英語の長文読解でも、馴染みのある話題ならなんとなく理解できますが、知らない英単語が一文に三つ以上出てくると、何が書いてあるのかわからない!となりますよね?
もう勝手に想像して、話を作り上げて、わからないまま解答欄を埋めて終わりです。
国語の不得意な子は、日々こんな状態で混沌としたあいまいな世界を生きているのかもしれません。
国語に限らず、学校の勉強は『書き言葉』によって進められます。
勉強が遅れるとは、苦痛な状態で過ごす時間が長くなるということだと思います。
それは、もったいないです。
なるべく早いうちに、年齢なりに物事を理解できる力・自分の思いを他者に伝えられる力を身につけて、世界を馴染みあるものとした方が、より豊かな人生をおくれると思うのです。
そこで、国語教室ミルンの方針です。
◆L1・L2のうちは、読み聞かせと平易な文章の読みで正しく聞いて読んで理解する力+論理力を養成する
◆L3・L4・L5で本格的なラインマークとフレームワークによる読解力+論理力を養成する
◆L6は、L5までに身につけた論理力をもとに実践的な読解力+記述力を養成する
どの学年も、論理力を土台に据えて読解力を養成します。
カンに頼って読解問題を解いていたら、いつまでも成績は安定しません。
教室の授業で『文章を正確に読んで理解する』特訓を繰り返すことで、知っている言葉も既知のテーマも増やしていきます。
一人でも多くの子どもたちに、論理的に読解し、記述するテクニックを身につけてもらいたいと願っています。
お家でもできることはいっぱいありますよ!
むしろ、母語である日本語の力はご家庭で育むものです。
そのために必要なのは、早期教育というわけではなく。
ふだんの生活の中で、いくらでもそんな力は身につけられるのです。
赤ちゃんのときからできることだってたくさんあります。
詳しい内容は、拙著をご参照ください。