子どもは間違いに気づかない
「国語」の答えあわせは、子どもに任せず、保護者がやりましょう。
主語と述語の抜き出しなどの論理の教材でも、記述の問題でも、書いた本人が間違いを見つけるのは至難の技です。
母語の場合、当人は正しい日本語だと思って書いているので、たいてい間違いには気づきません。
「ちょっと違うけど、たぶん合っている」ということにして、間違いを放置してしまうこともあります。
そうなると、貴重な気づきのチャンスを見逃してしまいます。もったいない!
大学生でも間違えることがある
大学3回生の娘たちが2人揃って就活中で、夜毎エントリーシートを書いています。
当人たちは、「限られた字数に学生時代の行いや企業への思いを詰め込まねば!」という思いが強く、何度も文章を練り直します。
そして推敲を重ねるほどに、新しい目で文章を読み直すことができなくなり、ますます語彙や助詞の微妙なズレを発見できなくなります。
大学生でも、思い込みが強いと自分で書いた文章の間違いには気づきません。
でも、正しい文章の型が身についているので、指摘すればすぐに自分で直すことができます。
特に国語の苦手な小学生は、そもそも正しい文章の型が自分の中にまだ出来上がっていないので、間違った答え合わせをしていると、おかしな日本語を身につけてしまいます。
そして、正しい文章の型が身につかないまま中高生になってしまいます。
国語力アップのために
国語の答え合わせは、親にとってものすごく面倒な作業ですが(というか、私にとっては面倒でしたが)、後々のことを考えるとやっておく価値はあります。(というか、やっておいて良かったと心底思っています!)
大学生になってから、卒論の日本語がおかしいとか、就活のエントリーシートが書けないとかで嘆きたくなかったら、小学生のうちから正しい書き言葉を身につける訓練を始めることです。
そのためにも…
「国語」の答えあわせは、子どもに任せず、保護者がやりましょう。
そして、間違えた問題について、何がどう間違っていたのかを子どもが考える手助けをしてあげてください。
その時に大切なのが「設問が何を聞いているのか」を確認することです。
たとえば、次のような問題。
「二匹の白いネコが、縁側で寝ている」
問い「ネコが」につながる言葉を答えなさい。
子どもの答え
⑴「縁側で」の場合
そもそも『言葉のつながり』がわかっていない。
⑵「寝ている」の場合
『主語述語の関係』や『言葉のつながり』は分かっている。「ネコが」がつながる言葉を答えにしてしまった。
⑶「白い」の場合
おしい。白い→ネコが のつながりは捉えられている。
⑷「二匹の」「白い」の場合
完璧。二匹の→ネコが のつながりも見つけられた。
以上のように、⑴はさておき、⑵の答え方をしてしまった場合は、設問を注意深く読むよう促してください。
「〜がつながる言葉」なのか「〜につながる言葉」なのかによって、答えは違うのです。
子どもの答えが⑴〜⑷のどのレベルにあるのかで、その後の勉強法も違うわけです。
⑴の場合は、「言葉のつながり」とはそもそもどういうことなのか、から学び直しです。
国語の答え合わせをしていると、子どもの「国語力」が見えてきます。
親も日常で読み書きに用いる母語だからこそ、子どもの今の実力が感覚的につかめるのです。
そうすると、やるべきこと、力を入れるべきこともわかり、子どもの今の実力に合わせた勉強や復習をすることができます。
結果的に、遠回りをせずに国語力をアップすることができるのです。
答え合わせをしていると、確実に親の国語力もアップします。
親の方も日常的により一層論理的に話すようになるので、それを聞いて育つ子どもの論理力も必然的に上がります。
親による答え合わせは一石二鳥です。
参考記事