まもなく春休み。

桜の花が咲き誇るのが待ち遠しいですね。

そして春の訪れとともに、子どもたちは新学年を迎えます。

なにもかもが新しくてワクワクする気分になる一方、親としては不安や心配に思うことも・・・

毎年この時期には、学習に関するお悩みのご相談を受けることも多くなります。

なかでも進学塾については、名古屋のこの地域(千種区・東区・昭和区・瑞穂区あたり)で子どもを育てる親にとっては関心の高いテーマ。

ー中学受験をするなら、何年生から通うべきですか?

ーお勧めの塾はありますか?

ー校区の市立中学のレベルが高いのですが、小学生のうちにやっておくことはありますか?

などなど。

塾を決める前に

でも、ちょっと待ってください。

進学塾に通う前に、受験云々の前に、確認すべきことがあります。

それは、お子さんの今の実力(読解力、理解力、集中力)です。

公立の小学校の勉強は、進学塾よりも簡単です。

学校のテストはできるし、授業態度も悪くないのであれば、大手の集団進学塾に通う意味はあります。

学校で学ぶ基礎的内容も理解できていない部分があるなら、まずは学校の補習をしてくれる塾を探すべきでしょう。

学校よりも難しい内容を次から次へと理解して暗記する必要がある進学塾では、ついていけなくなる恐れがあります。

よそごとやおしゃべりをするなど、学校の授業に集中できないことが多々あるお子さんには、大人数の集団塾は向いていません。

黙って座って先生の話を聞くことを求められる講義型の授業は、そういう特性のあるお子さんには苦痛でしょう。

一人ひとりを丁寧にみてくれる個別塾か家庭教師、少人数の塾を探した方が良いと思います。

集団塾しか見つからない場合は、集団塾で成果を上げるための方法や秘訣もありますが、家庭の負担は大きくなります。

まずは勉強が楽しくなる土台と環境作りから

勉強嫌いになる大きな原因は、学習環境がお子さんに合っていないからです。

ー人が多いと集中できない

ー男の先生がコワイ

ー先生が優しすぎて気持ちが緩む

など、理由は様々ですが、なかでも勉強嫌いを引き起こす理由のダントツ一位は

ーレベルが合わず、学習内容が理解できないこと

です。

想像してみてください。

先生が何を言っているのかわからない。

テキストに書いてあることの意味が理解できない。

それなのに、黙って聞くことを強いられる。

あるいは、解くことを強要される。

これでは、塾は精神修養の場になってしまいます。

たいていの集団塾は学年別です。

たとえ3年生の内容が理解できていなくても、4年生になれば4年生クラスに入らねばなりません。

学習レベルが合っていないクラスでどれだけ学んでも、力はつきません。

(国語教室ミルンでは、学年ではなく実力に合ったクラスで学びます)

勉強の基本は、教材を読んで理解することです。

勉強が苦手な子は、読解力が足りません。

国立情報学研究所(NII)は

  • 公立中学校生徒の約5割が教科書の内容を読み取れておらず
  • 約2割は基礎的・表層的な読解もできていない

とする調査結果を発表しています。

日本語で書いてある文章なので、本人は読めていると思っていても、読解力がないために、要点を見つけられなかったり、自分勝手に誤読したりするのです。

音読をさせてみて、スラスラと読めなかったり、助詞を言い換えるなど細かいところをおろそかにしていたら要注意です。

一生懸命に勉強しても、間違えて理解して、間違った内容を覚えているかもしれません。

そのままでは、テストの点数は良くなりません。

長年国語教室を運営している者としては、読解力不足で学校や塾の授業が理解できていない子は、想像以上に多いと思っています。

そういう子は、ただ塾に送り込んで「勉強しなさい」「覚えなさい」と声がけするだけでは、できるようにはなりません。

理解できない、わからないから面白くない。

面白くないから、ヤル気も出ない。

だから勉強は苦痛なものになる。

叱っても嘆いても仕方ありません。

この悪循環を断ち切るためには、まずは文章を読めるようにすることです。

お子さん一人では読めない、一人で読んでもわからないなら、一緒に読んであげるのです。

自分で読めるようになるためには、語彙力も論理力も必要です。

学年相当の漢字の読み書きもスムーズにできていなければなりません。

一文の主語と述語を抜き出すことから始めて、全体を要約できるようになれば、まずは教科書レベルの文章は正しく読み取れるようになります。

難関校を受験するなら

中学受験や高校受験をするときに、年齢相応に心が発達し、学年相当の語彙力や論理力が備わっていれば、中堅校の国語の文章は読み解けるはずです。

でも、難関校が出題する文章が読めるようになるためには、プラスαが求められます。

このプラスαは論理力や語彙力だけでは如何ともしがたいもの。

それは、経験によるさらなる心の成長です。

実体験ができなくても、読書をすれば疑似体験はできますね。

また、実体験ほどではないにしろ、教室でたくさんの小説や論説文を深く読む(字面を追うだけなら意味なし)ことでも、心は耕され教養を高めることもできます。


いずれにせよ最終的に読解力に一番影響を与えるのは、その子の心の成長度合いだと思います。

読書習慣があり、新聞を読み、様々な経験をすれば、心は成長します。

だから大人っぽい子、教養のある子、常識的な子は、いわゆる難しい文章が読めます。

その子の日常生活すべてが国語に表れると言われる所以です。

人は誰でもいつかは大人になります。成長しない人なんていません。

ただし、その成長の遅い早いは人によりけり。本人も親もコントロールはできません。

(自律を促すような関わり方はすべきですが)

まだまだ幼いと思っていた子が、受験前にグッと大人っぽくなることだってあります。そうなったらラッキー。

「精神的成長の早い子は、中学受験に向いている」それだけのことだと思います。

『中学受験の向き不向き』については、コチラの記事が参考になります。

『後半に伸びる子』については、コチラの記事が参考になります。