子ども相手の授業で少人数にこだわる理由
国語教室ミルンの講師は私一人です。
教室も広くはないので、座れる生徒さんの数も少ないです。
そもそも子ども相手に未知のコトを教えるのに、大人数の講義形式は合いません。
特に子どもは理解力や認知方法の違いが大きいのです。
人数が多くなればなるほど違いの幅が拡がり、説明を聞いて問題をパッと解く子と、一度聞いただけでは理解できない子の差が大きくなる。
すると、速くできてしまった子は常に待たされ、解けていない子は分からないまま授業がどんどん進んでしまいます。
文字を書くスピードにも大きな差があります。一字一字見ながら字を写す子もいれば、単語や文節で言葉を捉えて書き写せる子もいます。
もちろん文章を読む速さも、人によってまったく違います。
いろいろな子がいて当たり前。
それは子どもの世界に限ったことではありません。
大学にだって会社にだってタスクを速く処理する人とゆっくりこなす人がいます。
ただ、高校、大学、会社という集団は、試験というふるいで分類された人たちの集まりなので、理解力や処理速度の差が子どもの集団ほど大きくはないと思います。
公立の小中学校では、いろいろな人がひとつのクラスを構成し、集団で学び行動しています。
学校は、人と自分は違う、世の中には多様な人がいることを認識する場でもあります。
速いのが良くて、遅いのが悪いというわけではありません。
その子に合わないクラスで学ぶことに、意味がないのです。
塾は受講料をいただいて、勉強を教える場です。目的はあくまでも、国語ができるようになること。
だから、各クラスの実力差はできるだけ小さい方がいい。
小さな個人塾では、多様なクラスを設定することで子どもたちの多様性を尊重します。
実力に合ったクラスを受講するべき
そんなわけで、国語教室は学年別ではなく実力別に所属するクラスを決めています。
メンバーによって、授業の進み具合も違うし、クラスの雰囲気も違います。
入塾時には、お子さんに最適と思われるクラスをお勧めしますが、他塾や部活との関係でそのクラスに通えないこともあり得ます。
そうなると、ちょっと物足りないか、ついていくのに苦労するか、どちらかのクラスを選択することになります。
それでもいいから通いたい、と入塾される生徒さんもいらして、もちろん喜んで指導させていただきます。
あまりに理解が追いつかない場合は、親御さんの付添いをお願いして、受講を意味のあるものにします。
今やっていることがわからないのは、大きなストレスと無力感を与えてしまうからです。
ただし、どうしてもお役にたてそうにないと判断した場合は、別の国語塾や家庭教師をお勧めすることもあります。
毎年4月になると、継続生の実力を考慮しながらクラスを編成し直すのですが、それでも半年もすると、実力に差が出てきます。
その理由はひとことでは言いきれません。
在籍しているクラスが合わなくなってきたな、と感じたら、正直にその旨を生徒さんにお伝えします。
そんなわけで、9月頃には数名の生徒さんがクラスを移動されることもあります。
生徒さんも他のお稽古事で忙しいので、都合が合えば、ですが。
自習形式の塾もあるけれど
自習形式の塾であれば、それぞれが自分に合った問題集を解いていれば良いので、理解力の差は関係ありません。
ただ自習というのは高度な勉強法で、テキストに書いてある内容を読んで理解し、どこをどう間違えたのかが自分で分かることが前提です。
わからないことがあれば、先生に聞きに行くという判断力と積極性も求められます。
そうでなければ、解いて、自分で答え合わせをして、なんとなくできたつもりになる、で時間が過ぎてしまいます。
得意とは言えない科目の勉強を、ふつうの小学生が自習するのは現実的ではありません。
やはり説明を聞いたり、体験したりすることで、理解するのだと思います。
教えすぎも困った事態を引き起こすということも承知の上なので、そこは講師の腕の見せ所です。
大人相手のセミナーならまだしも、小学生相手に大人数で講義をしたり、苦手科目を自習させたりすることは、私にはできません。
(アシスタントさんがいてくれるなら別です)
しばらくは今のまま、レベル別のクラスに通える生徒さんを対象にした国語教室であり続けたいと考えています。
今、目の前にいて下さる生徒さんに全力投球で、国語指導をいたします。